2010 年 9 巻 2 号 p. 64-68
本稿は、筑波研究学園都市の歩行者専用道路(通称「ペデ」)を対象に実施した「みまもり量調査」の結果を報告するものである。総延長48kmに及ぶ筑波研究学園都市のペデは、歩車分離の計画思想に基づくものだが、通行量の多い車道と分離され、植栽に覆われたその環境特性により、近年では、利用者や沿道居住者に犯罪不安を喚起する空間として捉えられ、そのことが利用を阻害する要因となっている可能性がある。そこで本稿では、犯罪に脆弱な小学生や女性の視点から、ペデは安全・安心な空間となっているか分析・考察を行った。