今日、環境問題が深刻化しつつ中、ドイツをはじめ、韓国や日本においてイベントスタジアムにおけるリユースカップの導入など、容器・食器の再利用が実践されている。本研究では、スタジアムのような閉鎖的な場所ではなく、大分県別府市のような中小都市でのコンビニにおけるリユース容器の導入の可能性を考察した。ドイツでリユースカップビジネスをしているカップ・コンセプト社のLCA手法を用いた容器間環境負荷比較研究結果を参照し、コンビニへの導入の環境負荷が軽減できることを証明した。また、実際に導入する際の課題についても考察を行った。
近年,資源の有限性などの観点から,物質の投入・廃棄(フロー)の量を低水準に抑えるストック型社会への移行が求められている.建設分野における物質循環は大規模であり,この分野におけるフローの削減が環境負荷の削減に果たす役割は非常に大きい.建設分野におけるフロー部分の動向を理解する上で,社会的要因を踏まえた将来のストック需要量を把握する必要がある.そこで本研究では,都市構造物のうち人間活動が反映されやすいであろう建築物に着目し,建築物ストック需要量に影響を与える要因を整理すると同時に,異なった社会像を反映した複数のシナリオごとの建築物ストック需要量の将来推計を行う.結果として,シナリオごとの一人あたり建築物ストック需要量に10トン近くの差が生じることが確認された.
本稿は、筑波研究学園都市の歩行者専用道路(通称「ペデ」)を対象に実施した「みまもり量調査」の結果を報告するものである。総延長48kmに及ぶ筑波研究学園都市のペデは、歩車分離の計画思想に基づくものだが、通行量の多い車道と分離され、植栽に覆われたその環境特性により、近年では、利用者や沿道居住者に犯罪不安を喚起する空間として捉えられ、そのことが利用を阻害する要因となっている可能性がある。そこで本稿では、犯罪に脆弱な小学生や女性の視点から、ペデは安全・安心な空間となっているか分析・考察を行った。
本報告では、バーゼルを対象とし、2回にわたる現地調査およびヒアリング調査から、バーゼルにおける公共交通の現況をまとめ、市民と行政間の連携や具体的な活性化手法等について整理をおこなった。バーゼルでは公共交通分担率が非常に高く、また住民の満足度も高いことがわかった。また、施策については、レファレンダム(市民投票)で最終的に決定をおこなうシステムが存在し、計画決定のプロセスには住民全てが参加している。
統計調査は長い歴史、膨大な蓄積があり、最も信頼できるデータのひとつである。しかし、実際の利用を見ると、国レベルの動向の把握や政策作成の基礎データに使用されている以外は、民間や地域・都市レベルの活用は限られている。本研究は統計調査データのうち、最も中心とされる53種類ある「基幹統計」に着目し、それぞれの特性をまとめ、都市レベルの空間情報としての利用可能性を考察した。
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