2009 年 24 巻 2 号 p. 201-204
[目的]座位での下肢荷重力と移乗動作自立度の関連性および下肢障害の影響について検討することとした。[対象]高齢慢性期患者35名(男性16名,女性19名,年齢79.7 ± 10.1歳:mean ± SD)とした。[方法]対象者の移乗動作自立度はFIMの得点により3群に分類し,下肢障害側はカルテ及び担当セラピストの情報を参考に片側および両側の2群に分類した。下肢荷重力体重比(%)を算出し,移乗動作自立度と下肢障害側を要因とした二元配置分散分析と多重比較検定で比較した。[結果]移乗動作自立群と介助群間に有意差が認められ,下肢障害側には有意な主効果は認められなかった。[結語]下肢荷重力は移乗動作能力を反映しており,下肢荷重力測定は多様な疾病の混在した高齢慢性期患者に対しても応用できる可能性が示唆された。