2025 年 6 巻 1 号 p. 176-182
より高度な道路交通マネジメントの実現に向けて,エッジコンピューティングにより道路や交通の状況を観測する取り組みが進められている.多様な道路状況を正確に観測可能するためには,分散配置された各エッジにおいて,データを分析する識別器を逐次的に再学習する必要がある.効率的に識別器を再学習するためには,エッジ同士で直接データをやり取りする非中央集権型の分散学習が望ましい.本稿では,他のエッジが持つ知識を⽤いて,ニューラルネットワークに基づく識別器を再学習する⼿法を提案する.提案⼿法では,他の識別器の重み⾏列の⼀部を自身の識別器に置換し,誤差逆伝搬を適⽤する処理を繰り返し⾏う.重み⾏列の置換と誤差逆伝搬を繰り返すことで,安定した識別器の再学習が期待できる.