抄録
〔目的〕高齢者を転倒群,非転倒群に分類し前方への最大ステッピング幅・側方への最大ステッピング幅の測定値と転倒との関係を検証すること.〔対象〕自立歩行が可能な65歳以上の30名(男性6名,女性24名)とした.〔方法〕過去1年間の転倒歴から転倒群と非転倒群に分けた.前方と側方への最大ステッピング幅を群間比較し,カットオフ値を求めた.また,前方と側方への最大ステッピング幅の相関係数を求めた.〔結果〕転倒群での最大ステッピング幅は非転倒群に比べ前方・側方共に有意に減少した.また,2群間とも前方・側方への最大ステッピング幅にて強い相関がみられた.〔結語〕前方・側方ともに大きく踏み出せるものは運動能力が高く,ステッピング幅が低下することは転倒リスクを増大する可能性があると考えた.