2017 年 32 巻 6 号 p. 777-781
〔目的〕二重課題トレーニングにつま先立ち動作課題を追加した3段階二重課題プログラムが,高齢者の運動機能に与える効果を検討した.〔対象と方法〕研究デザインは非ランダム化比較試験.65歳から85歳の在宅高齢者41人を対象とした.19人が二重課題プログラムを実施した(二重課題群).22人が3段階二重課題プログラムを実施した(3段階二重課題群).週1回の頻度で12回実施,運動時間はともに60分とした.測定指標は,歩行速度,筋力,バランス,遂行機能とした.〔結果〕郡内比較で4つの指標に差を認めた.変化量の比較で歩行速度,筋力,バランスの差を認めた.〔結語〕二重課題プログラムと比べて3段階二重課題プログラムでは歩行速度やバランスを改善・維持する傾向が認められた.