抄録
乳房温存手術後微小な第2癌を検出し,乳房温存手術を施行し得た3例について報告
する.症例1は46歳.第1癌は44歳時,右Cの0.8×0.7cmの乳頭腺管癌でBq+Axを施行.第2癌は右Aの0.7cmの乳頭腺管癌.非触知で超音波検査(USG)で検出し, Bpを施行した.症例2は49歳.第1癌は44歳時,左Cの1.3×1.3cmの乳頭腺管癌で,Bq+Axを施行.第2癌は右Aの0.8cmの管状癌.非触知でUSGで検出し, Bq+Axを施行した.症例3は46歳.第1癌は41歳時,左ABの1.5×1.4cmの非浸潤性乳管癌で, Bq+Axを施行.第2癌は,左Aの0.8×0.8cmの乳頭腺管癌で, Bqを施行した.3症例とも第1癌はn0, 切除断端陰性,非照射であった.また,第2癌はいずれも1.0cm以下の微小癌で,腫瘤非触知例ではUSGが早期発見の契機となった. USGは乳房温存療法後の小腫瘤型癌巣の存在診断に極めて有用と考えられた.