2024 年 30 巻 p. 155-160
A川の河川堤防では,堤体と基礎地盤の浸潤線の観測が「河川堤防モニタリング技術ガイドライン(案)」(国土交通省事務連絡 平成16年3月)1)に基づき,2015年より現在までの7年以上の長期にわたり行われている.わが国においてはこの様な大規模な堤防に対する長期の観測事例は少なく,さらに,その間令和元年東日本台風による洪水を経験していることから,堤防の浸透状況を分析するにあたって極めて貴重なデータであると言える.本研究は,B地先断面を対象に,堤体3箇所と基礎地盤3箇所の計6箇所で水位観測を行い,飽和不飽和浸透流解析により降雨や洪水の浸透特性について考察を行った.また,その結果から,堤体内水位の反応は降雨に起因すると考えられたことから,事前降雨量と本降雨量の違いが与える堤体への浸透現象について分析を行ったものである.
結果,堤防の浸透に対する安全性に影響する堤体内水位の上昇に,本降雨が与える影響が大きいことが推定された.