スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
ゴールボールのスローイングに着目した教材の開発:
新たな身体知への気づきとスローイング技能の向上をねらいとして
濱中 良 飯干 明金高 宏文森 司朗井福 裕俊
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 16 巻 p. 135-149

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抄録

ゴールボールは新たな身体知への気づきを促すことができる価値や特性を有していると考えられる.しかし,新たな身体知への気づきが実際のパフォーマンスの変化に現れているかどうかについては十分に検討されていない.また,初心者にとってゴールボールのスローイング技能の習得は難しく,段階的な練習やそのための教材の開発が必要である.本研究ではゴールボールにおけるスローイング技能に着目し,当該授業の単元内でも新たな身体知への気づきを促し,スローイング技能の向上を図ることが可能となるような教材の提案を目指す.そのために①筆者による探索的な教材の試行と②数名の被験者による試験的実践をもとに検討を行い,最終的な教材を提案することとした.また,教材の試作過程や試験的な実践から得られたゴールボールにおけるスローイング技能の向上に繋がる知見についても提示することとした.その結果,開発した教材は新たな身体知への気づきとゴールボールのスローイング技能の向上を促すことをねらいとして十分に活用できることが示された.また,正面に向かって真っ直ぐボールを狙うために手がかりとなる3 つの身体知を示すことができた.さらに授業等でより活用しやすいように改善した教材を提案することができた.今後は,授業等での実践を通じた教材の活用方法や教材を活用した実践研究について検討を進めたい.

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© 2024 日本スポーツパフォーマンス学会
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