スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
中学生女子サッカー選手におけるアジリティを決定する要因:
全国大会出場レベルのチームを対象とした事例的研究
伊藤 大永 内藤 雄斗
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ジャーナル オープンアクセス

2025 年 17 巻 p. 252-260

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抄録
本研究の目的は,中学生女子サッカー選手において、直線走,跳躍能力,方向転換能力の観点から、アジリティを決定する要素について示唆を得ることであった.本研究には,27 名の中学生女子サッカー選手が参加し,リアクティブシャトルテストのタイム,プロアジリティテストのタイム,直線走のタイム,カウンタームーブメントジャンプの跳躍高,リバウンドジャンプのreactive strength index(RSI),立ち幅跳びを測定した.リアクティブシャトルテストでは,スタート時の反応時間も測定し,プロアジリティテストのタイムと直線走のタイムからchange of direction deficit を算出した.リアクティブシャトルテストのタイムを目的変数とし,リアクティブシャトルテストのスタート時の反応時間,10 ヤード走タイム,COD deficit,カウンタームーブメントジャンプの跳躍高,立ち幅跳びの跳躍距離,リバウンドジャンプのRSI を独立変数とする重回帰分析を行った.重回帰分析の結果,リアクティブシャトルテストの説明変数として,10 ヤード走タイム,反応時間,COD deficit が選択され,調整済みR² は0.90であった.これらの結果は,女子中学生サッカー選手のアジリティが直線走と反応時間,方向転換能力によって大部分を説明できることを示している.
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© 2025 日本スポーツパフォーマンス学会
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