老年社会科学
Online ISSN : 2435-1717
Print ISSN : 0388-2446
資料論文
心理的well-beingが高い虚弱超高齢者における老年的超越の特徴
―― 新しく開発した日本版老年的超越質問紙を用いて ――
増井 幸恵権藤 恭之河合 千恵子呉田 陽一髙山 緑中川 威高橋 龍太郎藺牟田 洋美
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2010 年 32 巻 1 号 p. 33-47

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抄録

 本研究の目的は,日本人高齢者に適した老年的超越質問紙を開発し,心理的well-beingが高い虚弱超高齢者の老年的超越の特徴を検討することであった.10人の高齢者へのインタビューから質問紙を作成し,在宅高齢者500人(男性198人,女性302人)に実施した.因子分析の結果,「ありがたさ」「おかげ」の認識,内向性,二元論からの脱却,宗教的もしくはスピリチュアルな態度,社会的自己からの解放,基本的で生得的な肯定感,利他性,無為自然と命名された8因子を抽出した.次に,在宅超高齢者149人(男性51人,女性98人)をクラスター分析により高機能高well-being(以下,WB)群,低機能高WB群,低機能低WB群に分類し,質問紙の下位尺度得点を比較した.低機能高WB群は低機能低WB群より内向性,社会的自己からの解放,無為自然の得点が高く,宗教的もしくはスピリチュアルな態度の得点が低かった.これらの結果から老年的超越の一部の下位因子は心理的well-beingの高さと関連し,その低下を緩衝する可能性が示唆された.

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© 2010 日本老年社会科学会
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