本研究は,職場における世代間関係が精神的健康に及ぼす影響を,職場満足度を媒介変数として検討することを目的とした.データは,無作為抽出された首都圏の60〜69歳の男女285人から得た.世代間関係は,職場でのエイジズム,若年世代へのサポートの提供,若年世代との否定的相互作用で測定した.
媒介分析の結果,職場でのエイジズムが抑うつに与える直接効果は有意でなく,職場満足度を介して抑うつに与える間接効果が有意であった.つまり,職場でエイジズムを経験している者ほど職場満足度が低く,その職場満足度の低さが抑うつ傾向の高さにつながっていた.若年世代へのサポートの提供は,職場満足度の高さをもたらしていたが,抑うつに対する直接効果・間接効果ともに有意でなかった.さらに,若年世代との否定的相互作用が多い者ほど,抑うつ傾向が高いという直接効果が確認された.