抄録
近年の情報化社会の進展や学校でのタブレット端末の普及により,キーボード入力技能の重要性は一層高まっている.2025 年の学習指導要領改訂では,高等学校「情報Ⅰ」においてプログラミングの基礎理解と技能が大学入学共通テストで問われることとなり,正確なローマ字入力の習得が学習基盤として不可欠である.本研究では,高校生のローマ字表記パターンに注目し,入力方法および精度が速度に与える影響を検討した.埼玉県内の普通科高校 2年生 272名を対象に入力解析ソフトを用いて課題入力を記録・分析した結果,濁音・拗音や多様な表記語句で入力方法のばらつきが確認された.また,入力精度と速度の間には有意な正の相関が認められ,単回帰分析でも精度が速度に有意な影響を与えることが示唆された.これらの結果から,正確なローマ字入力の習得がタイピング効率を高め,プログラミング学習の基盤形成に寄与することが示唆された.