1974 年 13 巻 1 号 p. 13-19
フェロマンガン精錬炉から排出されるばいじんを防止する目的で,汚染調査を実施した.試料として工場を中心とした市内118か所で家屋樋中のばいじんを採取し,そのマンガン含量を原子吸光法により定量した.これによって降り積ったばいじんの濃度分布図を画くことができた.汚染域は南北4km,東西2kmにわたり,最高56000ppmの濃度であった.高濃度域は年間風配図に従った形をしていることがわかった.つぎに市内を3区域に分けて,浮遊ばいじん中のマンガン量を測った結果,分布図濃度に比例していることが示された.田土壌の分析では,マンガン量は自然土壌中の値を変えるほどではなく,作物などへの影響はなかった.汚染状況を綿密に調べることによって,排煙防止対策が順調に進められ,公害問題は解決した.効果的な汚染解析の例として報告した.