安全工学
Online ISSN : 2424-0656
Print ISSN : 0570-4480
ISSN-L : 0570-4480
総説
社会動態を見据えた安全研究の在り方
小澤 守
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 60 巻 2 号 p. 77-84

詳細
抄録

台風や地震など自然起因の災害や老朽化や運転監視不足などによる産業機器の事故が多発傾向にある.事故・災害は表面上の機構だけではなく,社会,経済,歴史,組織,構築したシステムに対する理解不足,そして人そのものなど様々な要因が絡み合って重大化する.しかしたとえ詳細な物理的,化学的機構が未解明で適切な技術的対応が取れなかったときでさえ,我々は第三者検査などの社会制度を構築し,かろうじて安全を実践してきた貴重な歴史を有している.本稿ではそのような社会安全問題全般を展望して,どのような視点を持つべきかについての私見を述べる.

著者関連情報
© 2021 特定非営利活動法人 安全工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top