抄録
発表者の一人は、ω-周期離散時間システムにω-周期ゲインの状態フィードバックを適用したとき、閉ループ系のモノドロミー行列の固有値を任意に設定できるための必要十分条件は、制御対象が可到達であることを示した。発表者らは先の発表(第27回SICE九州支部学術講演会予稿集101A4)において、固定ゲインを用いたω-周期毎の状態のフィードバックによって同様な意味での固有値設定やデッドビート制御ができるための必要十分条件を与え、低次元オブザーバを利用した構成にも言及した。しかしながら、そこでは固定ゲインを用いているとはいえ、ω-周期毎にしか入力を加えておらず、それ以外の時刻では入力を0にしているので、ロバスト性の観点から好ましくない。本発表では、ω-周期の状態サンプルホールドの手法を適用することによりこの点を改善し、固有値設定やデッドビート制御ができるための必要十分条件を与えるとともに、低次元オブザーバを利用した構成にも言及する。