抄録
Barmish は制御理論の立場からフィードバックを用いた株式取引のためのアルゴリズム saturation-reset control を提案している.Saturation-reset control はいくつかの望ましい性質をもつが,投資額を連続的に変更することを仮定しており, 現実には実行できない. そこで本論文では投資額を周期的に変更するサンプル値制御の枠組で saturation-reset control を用いたときの株式取引の性質を解析し, 連続時間制御では成立していた性質が失われることを示す.