抄録
開発中であった、軌道交通における車両等の移動無線局から、カメラ映像を、無線LANを介して、指令所にてリアルタイム監視するシステムを実用化した。実用化するプロセスを通して出てきた技術課題のうち、無線システムの設計、スムーズなハンドオーバの実現、メンテナンス軽減への技術ついて、解決プロセスに沿って、順に紹介していく。無線システム設計では、免許不要の2.4GHz帯無線LANを用い、周囲からの無線干渉を防ぎつつ、安定通信が実現できる、無線局の配置を決める必要がある。移動無線局が複数の無線LAN基地局の間でハンドオーバする際に通信が不安定になる課題では、無線システムとネットワークシステムとをハンドオーバアルゴリズムで最適化する必要がある。また、移動無線局と固定無線局が広い範囲で混在した環境になるため、遠隔から適切なメンテナンスを行える仕組みが必要である。