Strength and Conditioning Journal Japan
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下肢傷害の持久系アスリートのための有酸素性能力に特異的なパフォーマンスへの復帰プロトコルと判断基準:ナラティブレビュー
Erin ChoiceRebecca Downey
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2025 年 32 巻 3 号 p. 31-40

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抄録

パフォーマンスへの復帰(RTP)プロトコルは、関与するエネルギー系、身体的およびバイオメカニクス的スキル、傷害タイプと重症度、多業種からなるケアチームメンバーの方針のばらつきなどのため、競技によって大きく異なる。復帰への決定を導くものは、臨床的推論、専門家の意見、経験、競技特異的な枠組みである。下肢傷害によって有酸素性トレーニングの継続が妨げられると、復帰の際に有酸素性能力が低下する。これは傷害や再受傷のリスクの増大と結びつく。本ナラティブレビューでは、高度な持久系競技で下肢に傷害を負ったアスリートのための、有酸素性能力に特異的なリハビリテーションプログラムとRTPプロトコルおよび判断基準を比較する。データベースの検索期間は2010~2022年であり、検索の結果、原著論文が9件、レビュー論文が11件見出された。有酸素性能力に特異的なRTPプロトコルは確認されなかった。RTPプロトコルにおける有酸素性能力テストの実施と処方に関するエビデンスは不足しており、今後の研究によって、RTPにとっての有酸素性能力の重要性を決定する必要がある。ストレングス&コンディショニングコーチは復帰時の有酸素性能力の低下を念頭に置いて、追加のテストを行なわなければならない。復帰を至適化するには、個別の有酸素性コンディショニングプログラムを実施する必要がある。

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