2021 年 49 巻 6 号 p. 458-462
総頚動脈(CCA)閉塞症に対する血行再建術は比較的まれである.今回われわれはCCA閉塞症に対し頚動脈内膜剝離術(CEA)を施行した症例を経験したので報告する.症例は68歳,女性.右不全麻痺と失語で発症,MRIで左大脳半球深部白質に急性期脳梗塞を認め入院した.左CCAは閉塞しており,下甲状腺動脈から上甲状腺動脈を介した内頚動脈への側副路を認めたが,左大脳半球の広範な血流低下を認めた.閉塞部位は比較的short segmentであったため,発症から約7週後にCEAを行った.CCA近位側までの十分な露出,CCAの閉塞部位直前の血栓の処理,上甲状腺動脈の血流が豊富なため遮断解除の順番の工夫などに留意して手技を行った.術後新たな脳梗塞や神経学的脱落症状の出現はなかった.ICAが開存しているshort segmentのCCA閉塞に対しCEAは有効であるが,CCA近位端の露出,血栓の処理,血流を考慮した遮断解除に留意する必要がある.