心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
第22回 臨床不整脈研究会
ベプリジル, アプリンジン併用による発作性心房細動予防効果の検討
濱本 紘住吉 徹哉高田 めぐみ新 博次
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_103-S4_107

詳細
抄録
発作性心房細動(PAF)を対象としてベプリジル(50~150mg/日)とアプリンジン(10~40mg/日)併用効果を検討した. 対象はPAF18例(M/F=15/3, 平均年齢65歳), 孤立性の1例を除き, ほかは基礎疾患としてうっ血性心不全(10例), 冠動脈疾患(7例), 高血圧(7例), 高脂血症(5例), 糖尿病(3例), ASO(3例), 僧帽弁逆流(1例)を合併していた. 効果は自覚症状ならびにホルター心電図により判定した. 経過観察12カ月までの3/4例, 24カ月までの3/6例, 36カ月までの3/4例, 48カ月までの2/4例の計11/18例(61%)で自覚症状による再発なく洞調律が維持された. 4例は再発が確認され, ほかの3例では再発し持続化した. LVEF≥60%の5/9例, <60%の3/4例, LAD≥40mmの3/7例, <40mmの5/6例でPAF再発が抑制された. ベプリジル, アプリンジンの併用は軽度心機能低下例においても有用であることが示唆された.
著者関連情報
© 2010 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top