心臓
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第28回 心臓性急死研究会
1歳でICD植込み, 両心室拘束性障害が進行したBrugada症候群の1例
鈴木 博長谷川 聡佐藤 誠一高橋 昌渡辺 弘相澤 義房
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2016 年 48 巻 SUPPL.1 号 p. S1_164

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抄録

 症例は1歳 男児. 啼泣後呼吸を止め, 生後4カ月に前医でBrugada症候群と診断. Holter心電図で784回/日のVfを認めた. Vfはイソプロテレノールとアトロピン投与によりほぼ消失. 硫酸キニジン等内服開始したが, Vfは完全に消失せず, ICD植込み適応と判断. 当院紹介され, 1歳1カ月でICD植込み. 経静脈的リード挿入は困難で, 心外膜内側に心外膜パッチを留置. その後Vf減少し, ICD作動はなかった. 1歳11カ月で呼吸困難を認めた. 心外膜パッチによる両心室拡張障害と判断し, ICD再植込み. 3歳1カ月頃より両心室の拘束性障害が進行し, 心不全入院を繰り返したが, Vfはほとんどなかった. 5歳過ぎに意識消失あり, VfのためICDが作動. また蛋白漏出性胃腸症と診断. その後も心不全入院を繰り返した. 8歳2カ月よりICD作動が増加. キニジン増量等を行った. 8歳5カ月の早朝にelectrical stormとなり, ICD作動したがPEAとなり, 永眠.

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© 2016 公益財団法人 日本心臓財団
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