心臓
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臨床 Bioprosthesisを用いた人工弁移植術とその遠隔
田中 二仁平塚 博男松本 学河村 剛史
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1975 年 7 巻 5 号 p. 567-573

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抄録
ブタ大動脈弁を用いたbioprosthesisであるCarpenier-Edwards Mounted Xenograftによって,7例に弁置換術を施行した.僧帽弁置換5例,三尖弁置換2例である.手術死亡が2例あり,生存した5例を最長15カ月,平均8.5力月間観察した.拡張期ランブルを高頻度で聴取するが,弁機能不全は1例もなく全例が満足すべき経過をたどつている,心筋の状態,自己循環への移行の難易,術後回復の速度は有症期間の長短に相関する.術中,保存液を洗い流す作業をするとき弁尖の開閉状態を観察して異常の有無を確認し,縫着中は乾燥させないよう注意すべきである.移植に先立って,抗生物質溶液などに浸すことは避けるべきである.
Carpentier自身の6年遠隔では,弁機能良好のものが83~85%,弁尖の穿孔による再弁置換が4~5%である.
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