小児耳鼻咽喉科
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臨床セミナー I
小児のめまい
五島 史行
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2011 年 32 巻 3 号 p. 305-309

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抄録
  小児のめまいの診察は,成人のめまいと異なり本人からめまいの訴えを聴取することが難しいため,家族から情報を聴取する必要がある。鑑別診断としてどのようなめまいが多いのか,またその臨床的特徴を知ることは重要である。これまで日本では起立性調節障害の頻度が高いという報告が多い。海外の報告では BPV(小児良性発作性めまい症:Benign paroxysmal vertigo of childhood)の頻度が高いとされている。国立成育医療研究センターを受診した男児 5 例,女児 7 例を対象として検討を行った。診断は BPV が 8 例,起立性調節障害 2 例などであった。BPV は小児のめまいで最も頻度が高いものであった。本疾患は片頭痛または家族歴に片頭痛を認め起立性調節障害との合併も多く認めた。診断に当たっては診断基準を熟知した上で,めまい発作の際の状況や片頭痛の有無など本疾患の臨床的特徴を熟知し問診を行うことが重要である。
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© 2011 日本小児耳鼻咽喉科学会
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