2009 年 50 巻 2 号 p. 89-97
本論では,10代から60代までの年代別に,幼少期における自然体験20項目の増減を調査し,その調査を基に.今後の幼少期における自然体験の望ましい在り方を考察した。全体的に見れば幼少期の自然体験は若年層ほど減少傾向にあるが,詳細に分析すると,①顕著な減少傾向,②微細な減少傾向,③微細な増加傾向に分類された。そして視点を変えると,④二極分化傾向,⑤性差がある項目のあることが判明した。今後の幼少期における望ましい自然体験の在り方として,第1に身近な自然環境の整備,第2に保育における自然体験の補完,第3に子どもを取り巻く大人の重要性を言及した。