理科教育学研究
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原著論文
中学生のアナロジーの生成と評価による理科学習の促進―「凸レンズによる結像」を事例として―
内ノ倉 真吾
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2011 年 52 巻 2 号 p. 33-45

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抄録

凸レンズによる結像を事例として、中学生がアナロジーを生成し、それを評価するプロセスを通じての科学的な理解の変容と教授ストラテジーとしての「変形」の有効性、そして、そのようなアナロジー活用の理科学習における意味を質問紙調査によって探った。結果として、次のような知見が得られた。(1) 生徒らは、新奇の問題に遭遇して、自分自身では知っていると思っていながらも、必ずしも科学的な理解が十分とは言えない特殊な事例に基づいて、アナロジーを自発的に生成していた。そこでは、導かれうる結論では違いがあったものの、推論プロセスには共通性があった。(2) 一般的な原理・原則を学習していない段階では、個別の一事例が、類似の問題を解決するための「見本例=モデル」として活用されていた。そのプロセスでは、ターゲットとなる状況を部分的に変化させて、ベースとなる状況を考え出していくという変形によるアナロジーの生成が見られた。(3) ベースやターゲットの事例の属性を部分的に変容させていく What-if 分析と呼ばれる方法は、変形の一種であり、アナロジーの評価を促進するための教授ストラテジーとして有効であった。(4) 生徒によるアナロジーの生成と評価、像点概念を導入した学習プロセスでは、ターゲットとベースの双方の事例の科学的な理解に質的な変容が認められた。また、当該事例の理解だけではなく、学習した内容の一般化や応用という点でも理科学習を促進しうることが示唆された。

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© 2011 日本理科教育学会
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