2012 年 53 巻 1 号 p. 29-38
本研究では,観察・実験の結果を考察する活動における小学生の学習実態を明らかにすることを第一の目的とした。さらに,同場面における小学生および中学生の学習に影響を及ぼす要因構造について,両者の比較の視点から明らかにすることを第二の目的とした。これらの目的を達成するため,小学校5,6年生200名を対象に,15項目からなる質問紙調査を実施した(中学生の分析には,これまでに実施した同様の質問紙調査で得た回答を用いた)。その結果,考察を導出する活動における小学生の学習実態として以下の①②,同場面における小学生および中学生の学習に影響を及ぼす要因構造として③のことが明らかになった。①児童が仮説を設定する活動に比べて,考察を導出する活動が十分に行われていない。②児童自らが仮説を設定したり考察を導出したりする活動に比べて,教師がまとめた考察を見て自分の考察を記述する活動が多く行われている。③考察を導出する活動に対して,小学生の場合は仮説を設定する活動が強い影響を及ぼし,中学生の場合は教師への依存が強い影響を及ぼしている。