理科教育学研究
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原著論文
検索・同定を行わない簡易な校庭樹木の観察活動の開発 : 学習者の観察の視点の変容からみた効果の実証
寺島 幸生
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2012 年 53 巻 2 号 p. 285-294

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抄録

検索・同定に主眼を置いた樹木の観察は,樹木に関して十分な知識を有しない教師から敬遠されやすい。また,従来の樹木の観察活動が学習者の観察の視点に及ぼす影響は,具体的に解明されていない。本研究では,教師が樹木について十分な知識を有しない場合を想定して,検索・同定を行わない簡易な校庭樹木の観察活動を開発した。自作のワークシートと分類の見本を用いた観察活動を,高校生を対象に実践して,生徒の観察の視点の変容から本活動の効果を検証した。観察前には,生徒は主に葉と枝に着目するが,他の器官を観察する意識や具体的な観察の視点が乏しいことが確認された。観察活動を通して,生徒は葉,枝以外の各器官も観察対象として認識するようになり,それに対して具体的で多様な観察視点を形成していることが確認された。また,生徒は校庭樹木についての知識を習得し,樹木に対するイメージを具体化させた。この簡易な観察活動は,学習者の観察技能の向上に有用であることが実証され,教師が敬遠せず容易に実践できることが期待される。

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© 2012 日本理科教育学会
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