理科教育学研究
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分析的処理と全体的処理の観点による小学校・中学校理科の学習内容の分類
杉本 剛
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2012 年 53 巻 2 号 p. 377-384

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抄録

自然事象に対する人間の情報処理の方法の概念として,分析的処理と全体的処理の概念がある。人間は外界を分析的処理と全体的処理の総体として認識する。また,自然事象には,分析的処理の側面から捉えられるものと,全体的処理の側面から捉えられるもの,双方から捉えられるものがある。これまで報告されている自然認識研究では,単独に分析的処理を対象とした研究が多く,全体的処理を対象とした研究は進展していない。また,分析的処理と全体的処理の相補性による自然認識の形成を対象とした研究も進展していない。前述の研究を促進させるためには,分析的処理と全体的処理の観点で理科の学習内容を分類し整理した資料を呈示する必要があると考えられた。本研究は,理科の小学校学習指導要領(平成20年告示),中学校学習指導要領(平成20年告示)を対象として,分析的処理と全体的処理の観点で学習内容を分類した資料を呈示することを目的とした。5つのカテゴリーを設定し,学習内容を分類した。自然認識研究に,研究対象とする自然事象に対する学習者の情報処理の方法を考慮に入れ,分析的処理と全体的処理の概念を導入することは,これまで行われてこなかった観点での自然認識研究を開拓できる意義がある。そして,これらの観点で学習内容を分類した本資料を活用することが,前述の自然認識研究を進展させるために貢献できると考えられる。

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© 2012 日本理科教育学会
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