2013 年 53 巻 3 号 p. 463-470
小学校第5学年「流水の働き」の単元において,流水の実験器を製作し,授業で試用した。そして,流水の働きについての理解を図ることができるかどうかを捉えることによって,実験器の有効性を明らかにした。その際,土山を用いた実験による理解の実態と比較対照した。その結果,次のことがわかった。(1)授業前後の調査によると,流水の実験器は,土山に比べ,流量・流速と侵食の働きの関係について正しい理解を導きやすいものであった。(2)授業で用いたワークシートの記述の分析によると,流水の実験器は,運搬や堆積の働きに比べ,侵食の働きについて正しい理解を導きやすいものであった。流水の実験器の教材としての有効性は,侵食の働きについての理解を促すという点に顕著に見られた。そして,「流水の働きにかかわる条件をそろえやすく,再現性のある実験ができる」という実験器の特徴が,その有効性にかかわったと考えられた。