2018 年 59 巻 1 号 p. 49-57
児童が自然の事物現象に触れ, 自ら問題を発見することが問題解決の過程で思考力を育むために重要とされている。そこで, 本研究では, 導入段階で自由な試行活動を行うことにより問題発見・設定する力の育成ができるか検証した。その際, 児童の創造的思考(拡散的思考・集中的思考)を促すため, 付箋紙に気づきを書き出し, 児童自ら類型化していくKJ法を取り入れた。小学校第5学年3クラス(実験群2クラス, 統制群1クラス)を対象に, 単元「電流が生み出す力」における検証授業を実施した結果, これらの指導法が問題発見・設定する力の育成に有効である可能性が示唆された。