理科教育学研究
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原著論文
小・中学校の授業における電流量の表現
西山 宜孝山下 修一
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2021 年 61 巻 3 号 p. 479-488

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抄録

歴代の小中学校の学習指導要領および同解説において,電流量がどのように表現されているのかを調査した。平成29年の学習指導要領改訂により,電流量の表現は小学校・中学校ともに「電流が大きい(小さい)」と初めて統一された。そこで中学生76名に電流量の表現についてアンケート調査を行い比較分析した。また,小学校8校,中学校5校の教員156名にも同様のアンケート調査を行い比較分析した。その結果以下の3点が明らかになった。(1)平成20年改訂版学習指導要領下で理科を学んだ中学生は教員の指導により「電流が大きい(小さい)」という表現を支持するようになるが,同様に「電流が強い(弱い)」という表現も支持する傾向が見られた。(2)令和2年5月の時点で小学校教員と中学校教員には,電流量の表現に大きな相違があった。(3)令和元年度までの小学校理科教科書における電流量の表現は,主要5社のうち4社が「強い(弱い)」としていた。

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