理科教育学研究
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原著論文
小学校理科における教師主体の「導入アプローチ」による批判的思考力の育成
―第5学年「振り子の運動」における児童の素朴な考えを生かした授業展開を通して―
中山 貴司木下 博義
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2022 年 63 巻 1 号 p. 139-150

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抄録

本研究は,小学校理科において,教師主体の「導入アプローチ」にイマージョン的要素を組み込んだ指導法を考案し,実践を通してその効果を検証することを目的とした。この目的を達成するため,第5学年「振り子の運動」(全13時間)において,理科における批判的思考力の6つの力を児童に説明した後,考案した「熟考シート」を用いてそれらの力を教師が継続的に指導(教師主体の「導入アプローチ」)しながら,児童の素朴な考えを生かした授業を展開(イマージョン的要素)する指導法を考案した。そして,質問紙や「熟考シート」を基に検証した結果,考案した指導法は,「探究的思考」「合理的思考」「自己による反省的思考」「目標志向的思考」及び「懐疑的思考」といった批判的思考力の育成に寄与したことが明らかになった。

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© 2022 日本理科教育学会
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