2017 年 32 巻 1 号 p. 55-60
悪性黒色腫は色素細胞や母斑細胞から生じる極めて悪性度の高い皮膚癌である。頭皮原発の頻度は低く,その予後は不良とされている。今回我々は,後頭部に発症し,臨床診断に苦慮した結節型悪性黒色腫の症例を経験した。74歳,女性。4年前に後頭部に皮疹を自覚し,翌年に当院の皮膚科を受診した。皮膚科での生検の結果,compound nevusと診断され経過を診られていたが,徐々に増大してきた。生検から2年後に当院の皮膚科を再診し,悪性を否定できないため,当科に紹介となった。全切除生検を行ったところ,悪性黒色腫の診断であった。拡大切除およびセンチネルリンパ節生検を行い,同時に回転皮弁にて閉創した。TNM分類はpT4aN0M0,病期stage IIBの診断で,術後は化学補助療法(DAVferon療法)を行った。術後8ヵ月目に全身へ転移を来し,緩和ケア病院へ転院した。