皮膚の科学
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症例
プレガバリンが有効であった皮膚紅痛症の 1 例
益田 知可子小林 佑佳吉田 裕梨池田 彩原田 潤小澤 健太郎森 宏美
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2021 年 20 巻 3 号 p. 208-211

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抄録

17歳女性。チアリーディング部に所属し,約 1 年前より部活動などの運動時に増強する両下腿の浮腫および灼熱感を伴う紅斑を自覚するようになった。初診時,両下腿に対称性に境界やや不明瞭なびまん性紅斑を認めた。臨床経過,皮膚所見から皮膚紅痛症と診断した。アセトアミノフェンやアスピリンは無効であったが,プレガバリンを開始後に疼痛は改善し,部活動により症状は誘発されなくなった。入浴後の下肢痛が残存したため増量したところ,疼痛はまったくなくなり発症前と同様に生活できるようになった。本症例では,運動や温熱刺激が誘発因子と推測されるが,部活動を継続したままプレガバリンによって症状を完全にコントロールし得た。皮膚紅痛症に確立された治療法はないが,プレガバリンは他にも有効例が報告されており,試みてもよい治療法と考える。 (皮膚の科学,20 : 208-211, 2021)

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© 2021 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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