抄録
本研究では,転子間プレートの圧力に対する影響を評価するために,プレートを付与した場合と取り外した場合のステ
ムで圧力測定を行い,ステム上の圧力分布を指標とした比較を行った.
生体骨組織と類似している模擬大腿骨10 本を使用し,掘削することでステムの外形状と髄腔内形状を一致させた.測定システムは,計測制御用コンピュータ,I-SCAN,PCI インターフェイスボード,タクタイルセンサシート,センサコネクタにより構築した.タクタイルセンサシートを模擬大腿骨とステム間に装着し,人工股関節安定性試験器に設置し,骨頭部に荷重650N を30 秒間負荷した.内外側と前後方向について荷重負荷後の圧力分布を定量的に求め,最大値を結果として提示した.
プレートを有するステムがプレートを取り外したステムに比較して圧力が低値を示した.
プレートが荷重を分散させたことにより,骨と人工股関節ステム界面における圧力を低減させたと推察した.