抄録
人の肩関節の運動メカニズムを解明するために,我々はOpen-MR 装置と3D/3D-registration を用いて,生体内の肩運動,特に肩甲骨面内の上腕挙上運動を準静的に解析してきた.本論文では,この手法を鎖骨運動の解析に応用した.本解析では,再現性の高い基準座標系が必要となる.そのために,画像上で比較的明瞭な肋骨と胸骨の接合部に着目し,6 つの肋骨先端点を手動で抽出した,その6 点を用いて胸骨座標系ΣST を設定し,基準座標系とした.ΣST の再現性について評価した結果,基準姿勢からの平均偏位は1[deg] 以内であった.次に,ΣST を用いて鎖骨運動を分析した.その結果,上腕挙上に伴う鎖骨の姿勢変化は,方向と可動域の両面において先行研究と類似していた.