抄録
本研究の目的は,後方へのステッピング反応の足部着地時における身体重心の動揺特性と下肢関節モーメントとの関係,およびその加齢変化を明らかにすることである.対象は健常高齢者17 名と若年者11 名とした.3 次元動作解析装置と床反力計を用いて,外乱刺激後の後方ステップ着地時における全身,胸郭部・骨盤部の重心動揺特性と下肢荷重関節のモーメントを計測し,それらの関係を高齢群と若年群で比較した.結果,高齢群において身体重心の側方動揺量と足関節底屈・外がえしモーメントの間に有意な負の相関関係を認めた.後方へのステップ着地時に発揮される下肢モーメントの加齢変化は主に足関節の底屈モーメントにあらわれ,高齢群の身体動揺特性には,足関節の底屈・外返しモーメントが関与していることが示唆された.