抄録
情報を視覚的に呈示することで認知症者の情報の把握を支援する機器(以下,情報呈示機器)が開発されているが,従来の評価は主観評価などに限られ,認知症者が機器の使用を学習する過程や日常生活での有効性が充分に明らかになっていなかった.本研究では,情報呈示機器の有効性を,認知症者が機器の使用に慣れ,活用できるようになるまでの過程を含めてより詳細に明かにすることを目的とし,1 日の予定を呈示する機器について,現場密着型方針による4 ヶ月間の臨床評価を行った.ユーザーの発話と行動を分析した結果,情報を把握できる割合は,導入前の50% から導入6 週間で97% まで向上し,最終的に100% に達した.人に聞かず機器を見て情報を把握できた割合も,時間経過とともに増加し,導入前の0% から最終的に57% まで向上した.なお,機器の使用を促す方策として,目立つ配色を用いることが有用であった.