抄録
【目的】 デンプンはブラマンジェ、カスタードクリーム、くず湯などの調理をはじめ、咀しゃく・嚥下障害に応じたトロミづけに利用されている。本研究では、ブラマンジェ様デンプンゲルを調製し、タンパク質、脂質の添加条件による物性の違いについて検討し、官能検査により嗜好性について評価した。
【方法】 コーンスターチ8%(w/w)にスクロース8%(w/w)、水または牛乳を加えて、加熱糊化させ、ブラマンジェ様デンプンゲルを調製してクリープメータ(山電 RE2‐3305S)で物性を測定した。タンパク質と脂質の影響を検討するためにブラマンジェ様デンプンゲルにスキムミルク、生クリームを添加して同様にゲルを調製し、物性を測定した。健康な高齢者(平均年齢76才)12名と女子大生46名を対象に官能検査を行った。
【結果】 牛乳を添加したデンプンゲルは水添加のものに比べて破断強度、かたさ、付着性が増す傾向が認められた。タンパク質添加に伴い、かたさ、凝集性が増し、脂質添加に伴い、かたさ、付着性は減少し、凝集性は増加する傾向が認められた。女子大生の官能検査の結果、かたさと付着性でクリープメータとの有意な相関が得られ、食べやすさについては、女子大生では低タンパク高脂肪のデンプンゲルを食べやすいとした人が多く、有意差(p<0.05)が認められたが、高齢者では有意差は認められなかった。以上のことから、ブラマンジェ様デンプンゲルに生クリームなどの脂質を添加することにより、食べやすいテクスチャーに改良できることが示唆された。しかしながら、高齢者ではさらに検討する必要がある。