バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
解説
認知機能の低下のある方の生活をサポートする車いすの開発
山内 閑子二瓶 美里
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 43 巻 4 号 p. 235-240

詳細
抄録
認知機能の低下に伴う,車いすのブレーキのかけ忘れとフットサポートの上げ忘れは,車いす移乗時の2大転倒要因で ある. 2012年にフランスベッド㈱より発売されたセーフティオレンジは,車いすのブレーキのかけ忘れを防ぐセーフティブ レーキ機構を備えている.万が一ブレーキのかけ忘れをした際には,自動でブレーキがしっかりかかることで転倒を予防する 本機構は,利用者と介助者の両者に安心感を提供すると共に,利用者の自立を促し日常の行動範囲を広げる.実用化開発にあ たっては,実環境における試作機の臨床評価にこだわった.そこで得た知見を機器の改良とデザインにフィードバックするこ とにより,認知機能の低下のある利用者が既存の車いすと同じ操作で使い続けることができるセーフティブレーキ機構の実用 化に成功した.対象となるユーザーの生活をしっかりと捉える臨床評価を開発と普及のプロセスに組み込むことは,利用者の いつもの生活をできるだけ長く続けることを支援する新たな福祉用具デザインを生み出す.
著者関連情報
© 2019 バイオメカニズム学会
前の記事 次の記事
feedback
Top