2018 年 52 巻 2 号 p. 47-58
有力とされてきた知見や議論に,発想を縛りつけられていることはないのか? 組織が抱えているパラドックスの観点から,組織,集団,個人を見つめ直してみると,重要でありながら,看過されている組織行動のダイナミックスと原理が洞察できる.本稿では,モチベーション,リーダーシップと集団活動,そして創造性とイノベーションの3つの領域に絞り,パラドックスを意識化することで,従前の見解や論理をとらえ直し,再考を迫っている新たな研究も随時引用しながら,組織行動研究の新たな展開可能性について論じる.