抄録
下流工程(テスト段階)の品質評価方法は,過去の実績と経験から評価手法としてプロセスが確立されつつある.そして,さらに低コストで良い品質のシステムを提供するためには,より上流工程からの品質確保が必要である.しかし,下流工程のテストによる検出障害をベースとした品質評価手法を単純に上流工程に適用しても,お客様との関係やメンバのスキルなどプロジェクトの環境に左右される要因が下流工程に比べ大きく,データの確度に懸念があり適切な品質評価を行うことが難しい.本稿ではプロジェクトの環境や特性に着目した設計品質の評価方法について,プロジェクトの環境条件を定量化した評価手法を提言し,その適用結果について考察する.