SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section A
X線回折による stretch-induced force enhancement の分子メカニズム検証
福谷 充輝橋詰 賢佐藤 隆彦後藤 大輔泉本 洋香下寳 賢人鶴原 結女杉 晴夫八木 直人
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 12 巻 6 号 p. 377-381

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抄録
 骨格筋が生み出す筋張力は、伸張性収縮を行った後に増大する (stretch-induced force enhancement)。この筋張力増大はタイチンの弾性力増大とサルコメア長の不均一が理由として考えられているが、未だに議論が続いている状態である。そこで本研究では、うさぎの大腰筋から抽出した筋細胞を対象とし、伸張性収縮によるその後の短縮性収縮時の筋張力増大が、結合したクロスブリッジ数と関連しているかを検証した。事前に伸張性収縮を行わずに短縮性収縮を行う通常条件、事前に伸張性収縮を行い、その直後に短縮性収縮を行わせる伸長・短縮条件を設定し、これらの試行中にX線を照射し、結合したクロスブリッジの数を表す 1.1/1.0 反射の強度比を計測し、条件間で比較した。その結果、伸長・短縮条件において短縮性収縮時の筋張力は大きかったが結合したクロスブリッジの数は変わらないという結果が得られた。これは、結合した個々のクロスブリッジが発揮する力やタイチンの弾性力といった、結合したクロスブリッジの数以外の要素が筋張力増大に貢献していることを示唆している。
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