抄録
数 100 J の高パルスエネルギーレーザーを用いてレーザーピーニング加工されたステンレス鋼の残留応力分布を測定した。直径 3 mm の集光径で照射した場合、圧縮残留応力層は表面から1.5 mm に達し、その形状は円錐形であると推測された。この結果はレーザー照射域外周からの希薄波の侵入による衝撃波の減衰が、無視できないことを示している。2つの異なる強度を持つ同心円状のレーザー照射域を形成することで、直径 1 mm の集光径でも圧縮ひずみ層は 1.2 mm に達した。外側の照射領域で駆動される衝撃波がその外周からの希薄波の侵入を妨げ、内側の照射領域で駆動される衝撃波の深部への伝搬をもたらしたと考えられる。レーザーピーニングの残留応力分布は、レーザー強度分布により制御できることが実証された。