日本水産学会誌
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ハタハタ仔魚の外部栄養への転換,絶食耐性および絶食が仔魚の遊泳速度に与える影響
森岡 泰三長倉 義智村上 直人市川 卓白藤 徳夫福永 恭平渡邊 精一
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2009 年 75 巻 3 号 p. 376-382

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抄録

ハタハタ仔魚の摂餌開始時期を調べ,絶食群と給餌群との間で卵黄吸収と体長,乾重量,遊泳速度,尾鰭の発達を比較した。さらに給餌飼育魚の日齢と飢餓耐性との関係を調べた。本種は 2 日齢に摂餌を開始するが 8 日齢まで主に内部栄養に依存しており,その後外部栄養への依存が増して 25 日齢前後に転換を果たすと推定された。卵黄の吸収完了期は飢餓耐性が最低となる。卵黄は飢餓耐性を保証する重要な要素であるものの,8 日齢を過ぎると絶食が成長,発育,遊泳速度に影響を与え始めるため,それまでに外部栄養を取り込むことが望ましい。

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© 2009 公益社団法人 日本水産学会
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