2015 年 81 巻 4 号 p. 667-673
琵琶湖においてアユ資源の冬季減耗の特徴を把握するため 1999 年,2002-2010 年の 10 年間を対象に,2 月から 4 月までのえり漁におけるアユの CPUE,サイズ,肥満度と水温やプランクトン量との関係を分析した。2 月と 4 月の CPUE の間には,2006 年を除くと正の相関関係が認められたが,2006 年は減耗が著しくこの関係から大きく外れた。2006 年冬は年間最低水温が 10 年間で最も低く,プランクトン量も低水準でアユの肥満度も低かった。水温の低下と栄養状態の悪化が主な減耗要因と考えられた。