2016 年 82 巻 3 号 p. 342-348
0℃ 貯蔵中のヒラメ肉での IMP 分解は,初期は緩やかに,後期は急激に進行した。クロラムフェニコール(CP)添加で後期の急激な低下は消失し,初期の速度が保たれた。CP 添加の影響は10, 20℃ では認められなかった。魚肉の IMP 分解総活性は 0℃ 貯蔵後期に大きく上昇したが,CP 添加区では認められなかった。CP 添加で貯蔵後期の腐敗臭の発生は消失したので,貯蔵後期の急激な IMP 減少は腐敗原因菌由来の酵素による分解が関与していると結論した。