2017 年 83 巻 5 号 p. 764-768
セタシジミの種苗生産は天然の親貝を採捕して実施されるが,採苗量と相関のある肥満度は年による変動が大きく,安定的な種苗生産が困難である。そこで人為的に肥満度を増加させる方法を開発した。11月から翌年5月の冬季に琵琶湖の港湾,湖水をかけ流した池,内湖の1つである西の湖で垂下飼育した。飼育終了時の肥満度は西の湖が他の場所や5月の天然個体より有意に高かった。このことから,冬季の間,内湖で垂下飼育することで,人為的に肥満度を高めることができると考えられた。