2019 年 85 巻 1 号 p. 55-63
本研究の目的は,加熱調理を目的とした消費者による宮城県産生食用むき身カキに対する評価を明らかにすることである。2017年10月に,宮城県産カキの主要消費地に住む消費者を対象にWebアンケートを実施し,収集したデータを仮想市場評価法により分析した。分析結果から,生食用を有意に高く評価する消費者の特徴として,貝類の購入頻度が高い,生鮮カキの購入時に新鮮さや生食用であることを重視する等が明らかとなった。消費者は生食用カキに対して,加熱調理用カキを基準として平均で11.6%の追加的な支払意志額を示した。